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コラム

RPAの解説 (前編)
種別・事例・役割、及び導入メリットについて

RPAの解説 (前編)

近年、主に事務作業の効率化の切り札として注目されているのが、
RPAと言われるシステムです。

RPAとは一体何か?
どんな活用方法があるのか?
導入した際のメリットなどについて見ていきます。

RPAの概要及び種別について

RPAの概要及び種別について

RPAとは(Robotics Process Automation)の略語であり、ロボットと言われるソフトウェアを活用して、従来、人間が行っていた定型業務を自動化する仕組みや、取り組みのことを言います。

ロボットに、人間が行っていたパソコンの操作を記憶・再現させることで、主に企業の事務処理作業を自動化します。
では、RPAには一体どんな種類や、提供形態があるのでしょうか?

種類

RPAは一種のソフトウェアです。
そのため、コンピュータで利用するための方法としては、以下のようなものがあります。

サーバー型

RPAが用意されているサーバーにパソコンを接続し、RPAを動作させる方式です。
パソコンのメモリを占有しないため、パソコンの動作スピードには影響を及ぼしませんが、サーバーやネットワーク環境の構築などの技術やコストが必要になります。

デスクトップ型

パソコンに直接インストールしてロボットを動かすタイプのRPAです。
特定のサーバーに接続しなくても単体で動作します。
その分、メモリの使用が大きくなり、パソコン自体の動作スピードに影響が出る場合があります。
別名、RDA(Robotic Desktop Automation /ロボティック・デスクトップ・オートメーション)」とも呼ばれています。

提供形態

RPAを提供している企業からは、以下のような提供方法があります。

オンプレミス型

ソフトウェアを単体のパソコンや、ネットワーク上のサーバーなどにインストールする形態です。ソフトウェアを購入して利用します。

クラウド型

RPAのソフトウェアを自社のコンピュータではなく、インターネット上の外部サーバーに置き、インターネットを経由して利用する方法です。
ソフトウェアを購入するのではなく、月額代金や利用量に応じた料金でサービスを利用するという形態です。
別名、SaaS(Software as a Service ソフトウェアをサービスとして使用する)と言われたりもします。

認識方法

RPAは人間のパソコン作業を認識して自動化します。その認識方法には以下の方法があります。

座標指定型

パソコンの画面上で処理したい仕事を位置情報で認識させる方法です。パソコンの画面に二次元の座標を設定し、どの位置をクリックして仕事をするかを、ロボットに覚えさせる仕組みになっています。

オブジェクト認識型

操作したいソフトウェアやアプリ、Webページなどの対象(オブジェクト)の構造をRPAに認識させ、その構造を発見したときに、指定した操作を実行させる方式です。

特性

RPAは人間のパソコン作業を認識して自動化します。その認識方法には以下の方法があります。

一定ルールに基づく反復作業を行うこと

例えば、データ入力やデータの抽出、データの検索、データの集計、そのデータを使った書類作成、メールに添付して送信など、決められたルールに従って処理する仕事などは、RPAの最も得意とする仕事です。

上記の作業を、複数のアプリケーションを横断して行うこと

一定のルールがある反復作業であれば、RPAは特定のアプリケーションだけでなく、条件を認識させれば、複数の異なるアプリケーションに応用が可能です。

例えば、ある条件でサイトを検索し、特定のデータや文書をコピペして社内システムに転記したり、文書を作成して添付ファイルにしてメールを送信したりすることを連続して行えます。

RPAの活用事例/対象業務

RPAの活用事例/対象業務

RPAは主にホワイトカラーの事務作業を中心に活用できます。
部門別にどんな作業が具体的に自動化出来るのか見ていきましょう。

経理部門

全社員から提出される交通費などの小口現金の精算処理は、データ件数も多く非常に煩雑ですが、社員からの申請データを元にロボットにWebページを検索させ、交通ルートや料金が妥当であれば社員にメールで連絡することが出来ます。

また、その後の仕訳処理や送金処理も自動化が可能になります。
さらに、請求業務についても、紙の請求書をOCRで読み取ってデータ化し、取引先ごとに集計し、その後の承認処理や入金データによる消込処理、仕訳データ化して基幹システムへの転送などが可能です。

人事部門

企業の社員採用方法は最近多岐にわたっています。

自社HP経由や採用サイト経由、紙の履歴書での郵送応募など、多くのルートから応募があるため、人事担当者は全てのルートからの応募情報を手入力で自社人事システムに入力する必要がありましたが、RPAを使えば、自社サイトや採用サイトの応募データを自動収集し、履歴書はOCRで読み取り、短時間に応募データをまとめることが出来ます。

さらに、採用試験前日には対象者にリマインドメールを自動で送信することなども出来ます。

営業部門

営業部門は、商談などコミュニケーションを必要とする業務が多いため、RPAを活用するシーンが少ないように思われがちですが、実は営業業務には多くの定型業務があります。

例えば、提案書や見積書、契約書などは自動作成が可能ですし、在庫の確認をメールで連絡したり、受発注業務も自動化したり出来ます。

さらに、一定の条件を設定しておけば、顧客マスターからロボットが検索して宛名シールを作成することや、展示会や新商品の案内などのセールスメールの送信などの販売促進活動の一部も自動化出来ます。

総務部門

RPAを活用して、指定条件でECサイトを探索し、備品を購入したり、納品された備品の管理台帳への自動入力をしたりすることが可能になります。

また、社員のタイムカードデータをダウンロードした後に、人事システムへ転記して給与計算を自動化することもできます。
さらに、過重労働に陥っている社員のピックアップなども可能になるので、社員の健康管理にも貢献します。

RPA導入のメリット

RPA導入のメリット

業務の可視化が可能

特定の部署で専門的に行われている仕事こそ、長年の間にブラックボックス化し、担当者以外に代わりが利かない状態になっている場合が見受けられます。
RPA導入を機会に、属人化している業務を汎用化できます。

業務の最適化促進

RPAはプログラムであり、コンピュータの中でデータ処理することで、仕事が最短時間で済みますし、人間のように疲労したり、ミスを犯したりすることもありません。
RPA導入を機にペーパーレスや無駄な業務の削減も行われるため、トータルで業務の最適化が促進されます。

フレキシビリティの高さ

RPAは、データ収集、入力、集計、チェック、資料作成などの作業内容であれば、業務の種類は問いません。
そのため、一度作成したロボットを設定や条件を変えるだけで、他の業務にいくらでも転用できます。非常に汎用性の高いツールであると言えます。

フットワークの軽さ

RPAをクラウド型で運用すれば、インターネット経由で24時間365日利用できます。

このことは近年普及が進んでいるテレワークにも活用できますし、自然災害や感染症のまん延といった非常事態にも業務を安定的に継続することもできます。
BCP(事業継続計画)の立案・実行という面からも非常に有効なツールと言えます。

働き方改革に貢献

RPAを活用して定型業務を自動化すると、業務時間を大幅に削減することが出来ます。
その結果、生産性が向上し、残業時間を削減することが出来ます。
このことは、働き方改革に直接貢献します。

まとめ

RPAとは何か?RPAの種別や部門ごとの導入事例、導入のメリットについて解説してきましたがいかがだったでしょうか?

これまで、ホワイトカラーの生産性はなかなか実行しにくい分野とされてきましたが、RPAツールの登場により、定型業務が画期的に省力化できることがご理解いただけたと思います。

後編では、実際の導入に関する留意点や、DXの視点でのRPAの役割、RPA導入後の人間の役割について解説します。
また、シスプロが提供しているシスロボについてもご紹介いたします。

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